高校同窓会のメーカー
北海道におけるマンションの多くがこの方式を採用したのは、エレベーターのコストが下がり、負担が減ったこともありますが、購入者の支持をえたことが大きいと思います。
一九九八年にフィンランド、スウェーデン、ドイツで見たマンション(共同住宅)の多くは、二方向採光とエレベーターが使われていました。
ただし、南側に居間を絶対条件としない性能を持った建物(外断熱)では、自由な方向に部屋を配置できるため、各階の住戸は建築家の腕により二戸から三戸、四戸と上手に配置されています。
一00年、いや二00年の耐久性と良質な室内環境を保ち続ける外断熱マンションでは、採光と通風、プライベートな空間の保持が重要になってきます。
かつて訪問したドイツにおいて「ドイツの建物にバルコニーが少ないのは、熱橋(ヒ−トブリッジ)対策ですか」と聞いたとき、「日本のような連続したバルコニーでは、隣の人が家に侵入してきても防ぐことができない。家族に被害があったらどうするのですか」と言われ、民主主義とは、権利を自らが勝ち取るとともに、その環境を守ることだと実感しました。
歴史を重ね、一00年、二00年と残る建物とするためには、コスト論だけでなく、長期にわたる建物の環境(個体及び都市)をデザインすることが重要でしょう。
ヒートブリッジ対策が施された施行(スウェーデン)ヒートブリッジ対策の金物(ドイツ)一九七三年のオイルショック以後、世界の先進国で住宅の省エネに関心が高まりました。
その結果が、ヨーロッパでは「外断熱」、日本では「内断熱」だったわけです。
スウェーデンでは、オイルショック以前の建物では暖房に一万九000蜘使っていました。
オイルショック後、省エネ住宅への転換で外断熱の改修などが行われ、それが約半分になりました。
それ以後も省エネ住宅の断熱基準は年々厳しくなっていき、一九八九年には四分の一まで減りました。
もちろん断熱材の性能も上がっていますし、サッシの性能も上がっているので、これらの総合的な成果です。
ドイツでも同様です。
そしてその先には、年間で一部屋あたり灯油を三リットルしか使わない「三リッターハウス」の実現が視野に入っているといわれています。
その先には後ほど紹介する「ゼロエネルギーハウス」があります。
現在、灯油三リットルの価格は北海道あたりで約二00円前後ですから、六0
dのマンションでは年間の暖房費が一万二000円程度です。
そういう建物が、いまドイツでは一般に実現しようとしています。
スウェーデンではさらに、暖房機器をまったく使わないで、人間の体温や電化製品の発熱で外気温度が一六℃の条件でも室温一二℃を確保しようという「無暖房住宅」が、二00一年四月に第二の都市イエテボリに建てられています。
私たち外断熱推進会議も二00三年一月に視察しましたが、外気温度がマイナスでも室温は二0℃以上ありました。
それも、まもなく視察団の体温で室温は二六℃に上がり、参加者は全員驚きの声を上げました。
私たちも究極の省エネ住宅を目の当たりにしたわけですが、特筆すべきはサッシの断熱性能でした。
三重ガラスにクリプトンスを封入したガラスで、驚くべきことにその断熱性能は0・八五W/凶・Kで、日本の複層樹脂サッシの性能値二・三W/2m-Kに比べ三分の一であり、ガラスの性能値0・四W/凶・Kは外断熱した壁の熱還流率(熱の通過率)とほとんど変わらないのです。
スウェーデンの首相であるヨ−ラン・パ−シヨン氏は、かつて「住宅の全て窓の性能値を現行の一・五W/ぱ・Kから一・。
W/凶・Kに高めることができれば、スウェーデンの原子力発電所を三基停止できる」と語っていました。
世界では住宅の省エネについて、このようなことまで考えられているのです。
ここで「無暖房住宅」という夢のような住まいを実際に設計した建築家ハンス・エ−ク氏のユニークな活動の一端を紹介します。
ハンス・エ−ク氏は物理資源理論学者ヨーハン・スワ−ン氏とともに、「いかにエネルギーのロスを防ぐか」を基本理念とし、新エネルギーへの転換や従来にはない発想の都市計画、廃棄物処理、更には交通システムに至るまで、多岐にわたる分野での具体的な提言によりρ再生可能な社会u の実現に向けたプロジェクト「イエテボリ2050」を推進しています。
スウェーデンの無暖房住宅と、その設計者ハンス・工ーク氏「イエテボリ2050」というのは、暖房や各種サービス、交通、そして工業生産に至るまで、すべての分野で福祉や生活の質を落とすことなく、一人当たりのエネルギー消費を半減させるテクノロジーを追求する運動です。
次の五つの柱からなります。
1賢明かつ効率的なエネルギーの使用:::暖房や各種サービス、交通、そして工業生産に至るまで、すべての分野で一人当たりのエネルギー消費を、福祉や生活の質を落とすことなく、半減させる最良のテクノロジーを追求。
2再生可能なエネルギーの供給:::バイオマス、風力発電、燃料電池、海流発電、そして太陽熱の利用や太陽光発電。
CO2を発生させず、地球環境に優しいH再生可能なエネルギー供給を推進。
3ライフスタイルを変え、価値観を変えることの必要性:::自家用車を持つ発想から、共有して自動車の数を最小限に止める発想へ。
さらに歩くこと、自転車を活用することを大切にするライフスタイルなど、これまでの価値観を変えることによりエネルギー消費を削減。
4エネルギーを有効活用できる都市計画:::各種サービスやレジャーが事受できるρ中心u を各地毎に設け、徒歩や自転車で快適に過ごせる環境づくりを提案。
5燃料電池による水素の有効活用:::大型の燃料電池をコミュニティー単位に、小型燃料電池を各戸に設置。
燃料電池により水素をつくり、バイク、自動車、パス、トラックなどあらゆる交通機関の燃料として活用。
ハンス・エ−ク氏は、化石燃料や原子力に一切頼ることのない未来へ向けた取り組みとして、「無暖房住宅」を始めとする様々な活動が評価され、二00三年度の「イエテボリ国際環境賞」を受賞しています。
さて、一方日本では、最も暖房エネルギーを消費する地域の一つである北海道の次世代省エネ基準(I地区)では一ぱあたり年間一。
八回以下ですが、これはドイツなどのように法律で義務付けられたものではなく、公的建築や公庫融資時に割り増し融資を受けるために合わせているものです。
住宅の省エネ性能だけをみても、かなり世界的なレベルから差をつけられてしまったという感じが否めません。
ドイツでは一九七七年以降に竣工された建物はほぼ一00%外断熱ですから、住宅性能の向上に応じてエネルギー消費の基準も高く設定されてきました。
逆に日本では、ほほ一00%が内断熱のマンションですから、省エネが思うように進まないのです。
昨年行われたブラウンホ−ファ−建築物理研究所・日独外断熱セミナーでK・ゼドルパウア所長による「古い建物」の定義として,「建設時期ではなく,実効暖房エネルギーの消費量で決められる」という興味深い発言もありました。
省エネ住宅に住むことは、地球環境を守り、将来の持続可能な社会を築いていくために、人々が実行できる有効なことでしょう。
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